「手首をこすり合わせる」はNG?
香りの寿命を縮める、意外なタブーと正しい作法
November 12, 2024
香水をつけた後、無意識に手首と手首をゴシゴシとこすり合わせていませんか?
映画のワンシーンでも見かけるこの仕草、実は香りのプロフェッショナルの間では「やってはいけないこと」の一つとされています。今回は、より美しく香らせるための「タッチ」の秘密について解説します。
Why? なぜこすってはいけないのか
理由は大きく分けて2つあります。手首をこすることは、調香師が描いた香りのストーリーを早送りしてしまうようなものなのです。
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香りのピラミッドが崩れる(摩擦熱の影響)
香水は、揮発性の高い成分(トップノート)から順に香るように計算されています。手首を強くこすり合わせると摩擦熱が発生し、繊細なトップノートの分子が揮発・変質しやすくなります。結果として、本来の香りの立ち上がりを楽しめなくなってしまうのです。 -
香りの寿命が短くなる
皮膚に馴染む前に無理やり広げることで揮発が促進され、香りの持続時間が短くなってしまう傾向があります。
Correct Manner:正しいなじませ方
正解は、「トントン、と優しくタップする」こと。
あるいは、こすり合わせずにそのまま乾くのを待つのがベストです。手首につけた香りを首筋に移したい時も、皮膚同士をこすらず、優しく押し当てる(プレスする)ように意識してみましょう。
香水は「つける」というよりも「纏う(まとう)」もの。 肌に乗せた瞬間から、あなた自身の体温と混ざり合い、世界に一つだけの香りへと変化していきます。その変化を急がせず、ゆっくりと楽しむ余裕こそが、香りを味方につける秘訣です。
もし香りをまろやかに香らせたいなら、手首ではなく「ウエスト」や「足首」につけるのがおすすめ。
体温で温められた香りは下から上へと立ち上る性質があるため、顔から遠い位置につけることで、ふんわりとしたヴェールのような香りを纏うことができます。 食事の席など、強い香りが好まれないシーンでも有効なテクニックです。